team.ups!の『世界で一番どうでもいい文章』

名古屋のコメディ演劇ユニット・team.ups!のウエダタカヒロによる日々のあれこれ

#3.5 ウエダ式「家での台本の読み方」①

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【ひとりで台本を読むとき】

 

大前提:読むときに情景(最低でも登場人物、できればセット・道具類・衣装など)をイメージする。

 

①自分の目から見た光景を描いている人は、客席から舞台を、もしくはレンズを通してテレビで観ているようにイメージしてください。自分自身の姿も客観的に見るためです。

 

その時の自分含めた皆の立ち位置は?表情は?台詞がないときは何をしてる?動くなら動線は?客席からなら注視、テレビなら手元やなんかの細かい場所までアップになります。それを事細かに観察する。

 

これは現場でやるのは難しいです。でも一人のときなら止めたりやり直しなんかも自由。

 

 

②台詞のひとつひとつに「どういう感情(または状況)なのか」を決めて読む。できるだけシンプルに。「○○で〜〜したとき☆☆と思う感じ」や複雑な例えは=「わからない→できない」に繋がります。自分で首を絞めない。

 

ただ、「喜び」「悲しみ」とかだとそれはそれで難しい。シンプル以前に情報量不足だからです。そう思ったらもう少しだけ深くに行ってみましょう。「本当に喜んでいいのか複雑」「訝しんでいる」「嘲笑」とか。


ボキャブラリーが貧困でできません」と言う人がたまにいますが、何となくの感覚でできるのは感情をストレートに表現できる才能のある人だけ。

 

いま自分(役)がどう思っているのか。それを表す適切な言葉とは? ググってください。もしくは聞いてください。作家や座組の仲間に。でも可能ならネットでシソーラス(類語辞典)から調べれてみてください。例えば「怒り」なら怒りを表す別の言葉・近い言葉がずらっと出てきます。使える言葉が増えれば、自分自身の言葉にも役の言葉にも説得力が断然増します。これを機に勉強しましょう。

 

③一挙手一投足に動きを決めてみる。台詞を声に出すのは家庭によってできない場合がありますが、動くのは比較的容易なはず。口パクや呟きでいいので、一旦すべての台詞に動きをつけてみましょう。単語単位で動くぐらいの気持ちで。

 

すると、絶対違和感が生まれる部分があります。当然です。それでOKです。そこにちゃんと引っかかることが大事です。「ん?」って。
それは身体構造上、無理のある動きかもしれないし、あるいは見映えとしてあまりに不自然だったりします。そういうところを削ぎ落としたり、表現を抑えたりして形を整えていく。

 

「動き」と書きましたが、表情も含みます。鏡でチェックしてみてください。自分が思っている通りの顔になっているか。意外に動いてなかったりします。

 

*②③は台本に書き込むと縛られるおそれがあるので、あまりオススメはしません。決めたことの「暗記」では今やってる台本でしかできません。以上のことがだんだんと無意識的にできるようになり、どんな台本でも適応までの時間を短縮するのが最終目標です。

 

→→つづく→→